教育訓練給付 講座くらべ

教育訓練給付 2024・2025年の改正ポイントをやさしく整理

教育訓練給付は、対象講座を修了すると支払った受講費用の一部が雇用保険から戻る制度です。2024年と2025年に内容が見直され、戻る割合が増えた区分と、新しく始まる給付があります。ここでは2024年10月の給付率引き上げ2025年10月に新設された教育訓練休暇給付金を、初めての人向けに整理します。金額や条件は受講する人の要件で変わるため、数値は目安としてご覧ください。

この記事でわかること
  • 2024年10月の引き上げで何が変わったか(特定一般・専門実践の2区分が対象、条件付き)
  • 一般教育訓練給付(20%・上限10万円)は据え置きで変更がないこと
  • 2025年10月に新設された教育訓練休暇給付金の対象者と給付日数の目安
  • 受講料補助とは別枠の教育訓練支援給付金(生活費の支援)との違いと、本サイトの講座が対象外になりやすい理由

まず結論: 2区分が拡充、新しい給付が1つ追加

改正は大きく2つです。1つは2024年10月の給付率引き上げ、もう1つは2025年10月の新しい給付の新設です。どちらも対象者や条件が決まっています。

今回の改正の要点
  • 2024年10月1日以後の受講開始者を対象に、特定一般と専門実践の給付率が引き上げられた
  • 一般教育訓練給付(20%・上限10万円)は据え置きで、今回の引き上げ対象ではない
  • 2025年10月1日に教育訓練休暇給付金が新設され、働きながら学ぶための休暇取得を支える
教育訓練給付は原則後払いです。受講料を一度全額支払い、修了後に申請して条件を満たすと戻ります。支給を保証する制度ではなく、支給可否や金額は受講する人の雇用保険の加入期間や受給歴などで変わります。最終確認は厚生労働省・住所地を管轄するハローワーク・各校公式で行ってください。

2024年10月: 特定一般と専門実践の給付率が引き上げ

引き上げられたのは特定一般と専門実践の2区分です。いずれも上乗せには条件があり、受講開始日が2024年10月1日以後である必要があります。

給付の3区分と給付率・上限のちがい

区分により給付率・上限が異なります。

一般教育訓練
給付率20%
上限10万円
対象例簿記・FP・宅建など
特定一般教育訓練
給付率40%(最大50%)
上限20万円(最大25万)
対象例一部の資格講座
専門実践教育訓練
給付率50%(最大80%)
上限年40万円(最大64万)
対象例看護・専門職など

給付率・上限は区分や講座で異なります。特定一般の最大50%、専門実践の最大80%は、受講開始日が令和6年(2024年)10月1日以後の場合に適用される改正後の数値です。最新の区分・指定番号は厚生労働省 教育訓練給付制度 検索システムでご確認ください(出典: 厚生労働省)。

  • 特定一般教育訓練給付: 従来は対象経費の40%(上限20万円)でした。受講開始日が2024年10月1日以後の人が、資格取得等をして訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、10%が上乗せされ最大50%(上限25万円)になります。
  • 専門実践教育訓練給付: 受講中は対象経費の50%(年間上限40万円)、資格取得等をして修了後1年以内に被保険者として雇用されると70%(年間上限56万円)です。受講開始日が2024年10月1日以後で、修了後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上がった場合は10%が上乗せされ最大80%(年間上限64万円)になります。
専門実践の80%は最長3年で給付額の通算上限192万円が目安です。上乗せの判定や賃金比較の時点など細部は要件で異なるため、利用前に厚生労働省のリーフレットと住所地を管轄するハローワークで確認してください。

上乗せの条件(整理):

  • 特定一般で50%まで: 資格取得等+訓練修了後1年以内に被保険者として雇用
  • 専門実践で70%まで: 資格取得等+修了後1年以内に被保険者として雇用
  • 専門実践で80%まで: 上記に加え、修了後の賃金が受講開始前比で5%以上上昇

一般教育訓練給付(20%・上限10万円)は据え置き

よくある誤解として、今回の改正で一般も上がったと思われがちですが、一般教育訓練給付は引き上げ対象ではありません。

一般教育訓練給付は、支払った対象経費の20%(上限10万円)のままで変更はありません。今回の引き上げ対象は特定一般と専門実践の2区分のみです。

簿記・宅建・社労士・FP・行政書士・司法書士の多くの講座は、この一般教育訓練給付(20%)の対象です。級や講座名だけでは区分は決まらず、各講座は厚生労働大臣の指定で区分が定まります。

一般教育訓練給付には、給付額(20%相当)が4,000円以下のときは不支給という要件があります。対象経費がおおむね2万円程度を下回る講座では給付が出ない点にも注意してください。

資格講座で見る実質自己負担の目安

本サイトでは各資格を一般教育訓練給付(20%)を前提に、給付後の実質自己負担で中立比較しています。下の図は計算の仕組みを示す一例で、資格ごとの最安は続く一覧のとおりです(いずれも後払い・要件次第の目安)。

給付額の目安 — 例: 一般教育訓練給付(給付率20%)で対象経費5万円の講座を受けた場合

受講料50,000円
給付額(20%)10,000円
実質自己負担40,000円

対象経費5万円に給付率20%をかけた1万円が支給され、実質自己負担は約4万円になります(20%相当が4,000円を超えるとき)。給付は後払いで、対象経費の範囲・上限・本人の要件で金額は変わります(出典: 厚生労働省 / 取得日 2026年6月)。

  • 簿記(一般20%): 最安の実質自己負担は27,280円(資格の大原 パススル簿記2級 Web通信)。掲載は19講座で、経理・会計事務に直結し初学者の最初の1本に向きます。比較は簿記講座の実質自己負担ランキングへ。
  • 宅建(一般20%): 最安の実質自己負担は28,000円(資格スクエア 超短期集中合格講座)。掲載は15講座。年1回試験で就職・転職に強い区分です。比較は宅建講座の実質自己負担ランキングへ。
  • 社労士(一般20%): 最安の実質自己負担は63,040円(フォーサイト 社労士スピード合格講座 バリューセット1)。掲載は17講座。人事・労務の専門家で難関ですが独立も狙えます。比較は社労士講座の実質自己負担ランキングへ。
  • FP(一般20%): 最安の実質自己負担は35,200円(クレアール FP技能士2級合格コース)。掲載は12講座。保険・金融・家計に直結し初学者向きです。比較はFP講座の実質自己負担ランキングへ。
  • 行政書士(一般20%): 最安の実質自己負担は47,000円(クレアール カレッジスピードマスターコース)。掲載は20講座。独立開業も狙える区分です。比較は行政書士講座の実質自己負担ランキングへ。
  • 司法書士(一般20%): 最安の実質自己負担は240,000円(クレアール 司法書士 中上級パーフェクトBコース)。掲載は7講座で高額帯が中心、専門性と独立性が高い区分です。比較は司法書士講座の実質自己負担ランキングへ。
上記はいずれも一般教育訓練給付(20%)を前提にした最安例の目安です。対象経費の範囲や本人の要件で結果は変わります。区分や給付率の基礎はいくら戻るかの早見もあわせてご覧ください。

2025年10月: 教育訓練休暇給付金が新設

2024年改正雇用保険法に基づき、2025年10月1日に教育訓練休暇給付金が新設されました。働きながら学ぶための休暇取得を支える給付です。

対象は在職中の雇用保険の一般被保険者です。自発的な能力開発のため、就業規則等に基づき連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取得して学ぶ場合に支給されます。

会社の業務命令による休暇は対象外です。あくまで本人が自発的に学ぶための休暇が前提になります。

給付の位置づけと給付日数(目安):

  • 失業給付(基本手当)に相当する給付として、賃金の一定割合(賃金日額のおおむね45〜80%)を支給
  • 所定給付日数は被保険者であった期間に応じて90日・120日・150日の3段階(最大150日)
  • 内訳の目安: 5年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日
給付日額の具体的な円ベースの上限額や、受給に必要な被保険者期間などの細かい要件は、施行時点の正式な内容を厚生労働省・ハローワークで必ず確認してください。本記事の日数・割合は公開情報をもとにした目安で、支給を保証するものではありません。

参考: 教育訓練支援給付金(生活費の支援)との違い

受講料が戻る教育訓練給付金とは別に、専門実践教育訓練を受ける離職者の生活費を支える教育訓練支援給付金があります。対象は限られ、本サイトが扱う通信講座は基本的に対象外です。

教育訓練支援給付金は、45歳未満で離職中の人が、初めて専門実践教育訓練を昼間通学で受講し、雇用保険の基本手当を受けられない期間の生活費を支える給付です。受講料そのものを補助する教育訓練給付金とは別の制度です。

押さえるポイント(2026年時点):

  • 給付額は基本手当日額の60%(2025年4月以降に受講開始した場合。それ以前は80%)
  • 通信制・夜間制は対象外で、昼間通学の専門実践に限られる
  • 在職中の人は対象外(離職して基本手当を受けられない期間が前提)
  • 2027年(令和9年)3月31日までに受講を開始した人が対象の時限措置(2026年度末まで延長済み)
本サイトが比較しているのは受講料が戻る教育訓練給付金です。掲載している専門実践の講座(社会福祉士・保育士の通信養成課程やキャリアコンサルタント養成講習)は通信中心のため、生活費の支援である教育訓練支援給付金の対象外となるのが基本です。利用可否は住所地を管轄するハローワークで確認してください。

確認の手順と関連ガイド

最終的な金額や対象可否は、使う講座の区分と本人の要件で決まります。次の手順で確認してください。

  1. 使う講座の区分と指定番号を確認する厚生労働省 教育訓練講座検索システムで講座名や資格名から検索し、一般か特定一般か専門実践かを確認します。
  2. 自分が支給要件を満たすか事前照会する受講開始前に教育訓練給付金支給要件照会票を本人確認書類とともに住所地を管轄するハローワークへ提出すると、対象かどうかを事前照会できます。
  3. 改正後の数値が自分に適用されるか確かめる特定一般50%・専門実践80%は受講開始日が2024年10月1日以後で条件を満たす場合の数値です。適用可否はハローワークで確認します。

こういう人向け: 最近の改正で何が変わったかをざっくり把握したい人、給付を使って資格講座の初期費用を抑えたい受講検討者に向いた整理です。

制度の全体像は教育訓練給付とは(3区分の全体像)、区分ごとの違いは一般・特定一般・専門実践の違い、対象になるかは受給条件のチェックをご覧ください。給付対象のおすすめ資格は給付金で取れるおすすめ資格一覧にまとめています。

よくある質問

2024年10月の改正で給付率はどう変わりましたか?

特定一般教育訓練給付と専門実践教育訓練給付の2区分が引き上げられました。特定一般は従来の40%(上限20万円)から、資格取得等をして修了後1年以内に被保険者として雇用された場合に最大50%(上限25万円)になります。専門実践は受講中50%・資格取得等と就職で70%に加え、修了後の賃金が受講開始前比で5%以上上がった場合に最大80%(年間上限64万円)になります。いずれも受講開始日が2024年10月1日以後で条件を満たす場合の数値です。一般教育訓練給付(20%・上限10万円)は変更されていません。適用可否は住所地を管轄するハローワークで確認してください。

一般教育訓練給付も給付率が上がったのですか?

いいえ。一般教育訓練給付は対象経費の20%(上限10万円)のままで、今回の引き上げ対象ではありません。2024年10月に引き上げられたのは特定一般と専門実践の2区分のみです。簿記・宅建・FPなど多くの講座は一般教育訓練給付(20%)の対象で、給付額(20%相当)が4,000円以下のときは不支給という要件もそのままです。使う講座の区分は厚生労働省 教育訓練講座検索システムで確認してください。

教育訓練休暇給付金とは何ですか?

2024年改正雇用保険法に基づき2025年10月1日に新設された給付です。在職中の雇用保険一般被保険者が、自発的な能力開発のため就業規則等に基づき連続30日以上の無給の教育訓練休暇を取得して学ぶ場合に支給されます。業務命令による休暇は対象外です。失業給付(基本手当)に相当する給付として賃金の一定割合が支給され、所定給付日数は被保険者であった期間に応じて90日・120日・150日の3段階(最大150日)が目安です。給付日額の具体額や細かい要件は施行時点の内容を厚生労働省・ハローワークで確認してください。

教育訓練支援給付金とは何ですか?本サイトの講座でももらえますか?

教育訓練支援給付金は、45歳未満で離職中の人が初めて専門実践教育訓練を昼間通学で受講し、雇用保険の基本手当を受けられない期間の生活費を支える給付で、受講料が戻る教育訓練給付金とは別の制度です。給付額は基本手当日額の60%(2025年4月以降に受講開始した場合。それ以前は80%)で、2027年(令和9年)3月31日までに受講を開始した人が対象の時限措置です(2026年度末まで延長済み)。通信制・夜間制や在職中の人は対象外のため、本サイトが扱う通信講座(社会福祉士・保育士の通信養成課程など)は基本的に対象になりません。利用可否は住所地を管轄するハローワークで確認してください。

改正後の数値は誰にでも適用されますか?

いいえ。特定一般50%・専門実践80%は、受講開始日が2024年10月1日以後で、それぞれの上乗せ条件(特定一般は資格取得等+就職、専門実践は資格取得等+就職に加え賃金5%以上上昇)を満たす場合の数値です。教育訓練休暇給付金も在職の被保険者で連続30日以上の無給休暇など要件があります。給付は後払いで支給を保証するものではなく、可否や金額は本人の雇用保険の加入期間や受給歴で変わります。適用可否は住所地を管轄するハローワークで確認してください。

資格講座を使う場合、実質負担はいくらが目安ですか?

本サイトは一般教育訓練給付(20%)を前提に、給付後の実質自己負担で中立比較しています。最安例の目安は、簿記27,280円、宅建28,000円、FP35,200円、行政書士47,000円、社労士63,040円、司法書士240,000円です。これらは対象経費に20%をかけた給付額を差し引いた目安で、後払い・本人の要件次第で変わります。各資格のランキングページで給付後の自己負担額を比較できます。正確な対象経費と区分は各校公式と教育訓練講座検索システムで確認してください。

関連ページ

出典

本ガイドは厚生労働省・ハローワークの公開情報をもとに作成した一般的な解説です。給付の支給可否・金額は受講する人の要件で変わります。最新の制度・対象講座・指定番号は、厚生労働省 教育訓練講座検索システムおよび住所地を管轄するハローワークで必ずご確認ください(制度数値の確認日: 2026年6月)。